2019年 06月 23日
シネマ歌舞伎『鷺娘』
多分前にも何度か書いたと思うんですけど、昨年は新聞で連載してた『国宝』って小説にドはまりしてたんです。
新聞小説を楽しみに朝刊が待ち遠しいとか、ほんと久しぶりで。
で、その『国宝』って小説、歌舞伎が舞台だったんです。
人間国宝にもなった美しい歌舞伎役者の生涯を語る物語で、それにこの『鷺娘』っていうのも主役が得意な演目の一つとして登場してたんですよ。
文章を読むだけで、どんなに美しい舞台なんだろうと憧れを抱かずにはいられない感じで、それで機会があったらぜひ一度見てみたいと思っていたのでした。
確か『おそ松さん』を見に来た時にこのシネマ歌舞伎のチラシを見つけてたんですね。
やーん、映画館で見せてくれるなんてめっちゃ素敵やんと、その時から絶対見に来ようと思ってました。
シネマ歌舞伎って、なんかこんな可愛いキャラクターがいるらしいですよ?
『鷺娘』は踊りだけなので、正味30分くらいの演目です。
なので、『日高川入相花王』というこちらも踊りが中心の30分くらいの演目との二本立てでした。
時間が短いので料金は特別料金になっていて1100円。これであの大きいスクリーンでアップで見られるなんてお得ですよ
先に『日高川入相花王』が上映されました。
全くの予備知識無しで見てるけど、要は舟で川を渡りたいのに、乗せて貰えないってストーリーなんかな。
最初、主役の坂東玉三郎が演じる清姫というお姫さまと、尾上菊之介が演じる人形遣いが花道から登場してくるのですが、もうこの最初の場面だけで一気にその姿に視線が釘付けになってしまいます。
なんだかとても人形っぽい動きです。
というか、本当にお人形さんなのかな。
すごいなと思うのが、本当に美しいお顔なんだけど、いっこうに生気が感じられないのです。
表情がないというか、まさにお人形さんの顔。
そして、こけつまろびつという言葉を不意に思い出してしまいました。
そうそう、普段ではもう全然登場する機会もない言葉なんですけど、まさにこういう感じのことを表すんだなと思いました。
そして清姫と人形遣いは舞台の向かって左手に立ち、もう片方には二人の黒子に操られているように見える船頭が現れて、舟に乗せてくれと懇願する清姫と頑として断る船頭のやり取りが始まります。
後で調べたんですけど、これ、もとは人形浄瑠璃の演目なんですね。
その長い物語の「渡しの段」という部分がとても有名で、歌舞伎でも演じられるようになったらしいです。
だから二人とも人形なんですね。
特に清姫は手や首の動きがちょっとカクカクしてて、本当に操られている人形のようです。
そしてとても可憐。
なのにね、ほんと感動してしまったのですが、最後どうしても舟に乗せてもらえない清姫が、ついに狂ったように般若の面に変わり川に飛び込んでしまうんですけど、その般若に変わる刹那にね、ふと人の貌を見せる一瞬があるんです。
私にそう見えただけなのかもしれないんですけど、確かにね、今まで人形だった顔にすぅーっと生気が宿って、そして次の瞬間鬼の形相に変わってしまうんです。
この場面は本当に鳥肌ものでした。
そこに衣装の早替えも加わって、舞台は最高潮に盛り上がります。
蛇の化身となった清姫が川に飛び込み、波に揉まれながら必死に泳ぎ渡ろうとします。
その川の中でもがく姫が、何度も人の貌に戻ったり鬼の形相になったりするんですよ。
彼女の心の揺れそのものに見えて、とても哀しく切ないです。
人形であった清姫が人となり蛇となり、でも人に戻ろうと足掻いている様にも見えました。
これは全然分からないまま見たものだったのですが、とても素晴らしかったです。
というか、芸ってここまですごいんだなという感じ。
映像で見せてくれるので、細かい手の動きや表情が見られたのも良かったです。
ただその反面どうしても舞台の一部分だけを写してしまうから、その間他の所はどうなっているのかなって。
歌舞伎って一人が何かをしている時、別の所は本当に時が止まったみたいに微動だにしてなくて、それがまた一枚の絵のように綺麗だったりするんですよね。
そういうところも歌舞伎らしさだなあと思っていたので、それも見たかったかなとか。
なかなか難しいですね。
その感動も覚めやらぬままに、次はお待ちかねの『鷺娘』の演目が始まります。
もう、最初の登場から息を飲むような美しさですよ。
なんかね、こういっちゃ何なんですけど、演じているのは男性なんですよね。
骨格だって違うし腰回りもがっしりしていて、そこにさらに早替え用に衣装を何枚も着込んでいるわけなんです。
でも、華奢に見えるんですよ。
可憐で儚げ。
はらはらと舞う花びらの一部のように優雅な舞を見せてくれます。
衣装の早替えが何度もあって、その衣装ごとに鷺娘の印象も艶やかだったり凛としていたりと少しずつ変わります。
この早替えもすごいですね。
お手伝いで出てくる黒子さんたちもめちゃ緊張するんだろうなー。
最後の一面に雪が舞う中で踊り続ける様は、本当に一時も目を離せませんでした。
これは本番の舞台の方で見たかったかなー。
きっと空気の色でさえも変わってしまっていたはずです。
でも舞台じゃあこんな近いところで見られないですよねー。
うーん
目でどんな一部までも見逃さないように隅々までもみたいし、でも身体全体で感じるようにも見たい。
かなり究極の選択です。
この『鷺娘』は、衣装の重さが数十㌔もあるそうです。
それだけの重さをまとってこの緩やかな動きって、本当に大変そう。5分でも汗だくですよ。
子どもの頃少しだけ扇舞を習っていたことがあるので、わずかですがこの止めの動きの方が辛いっていうのも想像がつくんです。
でもそんな様子はもちろん片隅にも見せず、ただただ優雅に美しく、全ての中心で踊り続ける鷺娘は本当に素晴らしかったです。
たった一人で舞台に立ち、なのにこれほどの存在感と迫力があるなんて。
まさに感動、でした。
これを見に行く前は、きっと映画館で見られる方が細かい所までよく見えて良いんだろうなーって思ってました。
昨年に舞台を見に行った時は、けっこう見えてない部分も多くて残念な思いもしていたので。
でもどっちも一長一短かなー。
見えるのは嬉しいんですけど、あの張り詰めたような空気感も味わいたい。
やっぱり生の舞台には生の舞台の良さがあるんですね。
でももう坂東玉三郎さんの『鷺娘』は、体力的な理由から見られないそうです。
そう聞くと、映像だけでも見られて良かったなって思いますね。
『日高川入相花王』も含めて、どちらも圧巻の舞でした。
次はこの『幽玄』を見たいかなーと思って、またチラシを貰ってきました。
つかその前に、先月はワンピースだったんですね。
いやーん、そっちも見に来れば良かったです。
スタンプラリーの用紙も一応貰っておいたので、また他の作品も見に来ることにしましょう。
あと『ヤマトタケル』も見に来たいです。
映画館の中、めっちゃ寒かったんですよ。
なのに終わってからフラペチーノを飲みに来ている私
だって無料ドリンク券が今日までだったんですもの。
それもあって、今日見に来ていたのでした。
エスプレッソ・アフォガートですってー。
甘すぎず、コーヒーの苦味が利いていて美味しかったです。
でね、難波パークスにいたので、いつものようにふらふらーとANNA SUIにも寄ってたんですよ。
やだコレ何可愛い
ふらふらーと寄ったはずなんですが、そのままふらふらーっと吸い込まれるようにお会計に向かってましたね
だってこれ、可愛いすぎません?
中身はヨックモックのシガールなんです。ガチで美味しいやつ。
限定コラボの缶で、もう梅田と天王寺のお店では完売してる分なんですってー。
難波店で残っててラッキー♥って感じなんですって。
そりゃあもう、出会えた奇跡に感謝ってところですよね
ちょうどお友だちの誕生日プレゼントも探していたので、自分の分と合わせて2セットお買い上げしてしまいました。
たくさん買ったせいか、おまけもいろいろ貰ってしまいました
このうちわも限定柄だそうですよ?
あとプレゼントにするって言ったら、メッセージカードもいただきました。
ANNA SUIの小物のセンスってほんと好きです。
この缶も本当に可愛い。
いつもみたいに、また衝動買いしちゃったよーってTwitterで呟いといたら、友だちから「これは仕方ない、許す。」ってリプもらいました。
だよね。これは仕方ないよね
いやー、良い買い物をしました。
これを友だちにプレゼントする時も楽しみです
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by sora_maarui
| 2019-06-23 23:35
| 映画
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